第6回キツネの社mf使用パーティ 〜脱出ボタンニョロトノ軸脱出雨パ〜




ルール:レーティング準拠の見せ合いありシングルバトル6→3

ポケモン 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 備考
ニョロトノ 図太い 熱湯 毒々 アンコール 滅びの唄 脱出ボタン 雨降らし
キングドラ 控えめ 竜の波動 波乗り 流星群 寝言 拘り眼鏡 すいすい
ランドロス 陽気 とんぼがえり ストーンエッジ 逆鱗 地震 拘りスカーフ 霊獣フォルム
ソーナンス 穏やか ミラーコート カウンター アンコール 道連れ オボンの実
キノガッサ 意地っ張り タネマシンガン マッハパンチ 身代わり キノコの胞子 食べ残し テクニシャン
ボルトロス 臆病 10万ボルト めざめるパワー氷 気合玉 悪巧み ゴツゴツメット 霊獣フォルム

概要

これまで使ったことのなかった「脱出ボタンニョロトノキングドラ」の形を主軸とした雨パを使おうと思い組みました。
(去年の5月にオフでコッソリ使いましたが、当時は全く煮詰まっていなかったのでノーカウント)


この形は、脱出ボタンを持ったニョロトノで相手の攻撃を受けることでアイテムを発動させ、
控えのキングドラを無償で場に出してから展開していくというギミックによるもの。
半減できるタイプが少なくてかつ耐久面の数値が心許ないキングドラへ簡単に繋げられるギミックとして、
BW環境終盤から一気に注目されてきた記憶があります。


また最近でもこのギミックへの注目が集まっており、キツネの社mfでも多くの方が使用されていました。

#01. 脱出ボタンニョロトノキングドラについて

このギミックの最大の強みは、ニョロトノを交替で出すことで天候を上書きしながら繋げられること。
雨状態で攻撃性能を最大限に発揮するキングドラを最高の状態で場に出すことで、
相手の手持ちに大きな負担を与えながら展開できるようになります。
更に、天候変化の特性を持つバンギラスキュウコン等に脱出ボタンからキングドラへ繋ぐことができれば
相手の交替を強要することになり、控えのポケモンから一気に崩していくことが可能。
こちらの控えにはニョロトノが残っているため、天候の取り合いでも有利に対局を進められます。


先程軽く触れましたが、雨パのアタッカーであるキングドラは不安が残る耐久の数値であると共に
水・鋼タイプの攻撃技しか半減できないため交替で場に出すことが非常に難しいです。
また、カイリューキノガッサハッサム等が使う高威力の先制攻撃技で手痛いダメージを負ってしまいます。
そのため安易に交替で出すと、相手から受けるダメージによっては上記の先制技で倒れる圏内に入ることもしばしば。


交替から出しづらいため死に出しまたはボルトチェンジorとんぼがえりから繋ぐことになりますが、
いずれも「天候が雨状態」であることが前提条件として伴うため事前にニョロトノを場に出すことになります。
一応、死に出しの場合はニョロトノに交替して倒してもらうことでキングドラを出せますが、
相手の手持ちに天候変化+キングドラより速くてかつ1発で倒せるポケモンが残っている場合は破綻してしまいます。


しかしながら、雨状態で場に出た時のキングドラの攻撃性能には目を張る物があります。
水+ドラゴンの幅広い攻撃範囲、天候によって強化された水技の数値の高さが生む一貫性、
そして高威力の流星群やハイドロポンプで対面の相手を縛れる範囲の広さはもちろん、
特性によって補強された素早さは拘りスカーフを持った最速114族まで抜き去ることが可能。
(※臆病キングドラの場合は拘りスカーフ持ちの最速130族と同速になる。)
ドラゴンタイプの中でも特に素早さに長けたガブリアスラティオスに対しても雨状態では攻防関係が逆転し
特殊な要素(襷、半減実、壁etc.)を除いてキングドラ側が有利な関係を作り出せます。


以上の耐久面・火力面におけるキングドラの性質をまとめると

  • キングドラでさっさと攻撃したいのに、ダメージを負いたくないから後出しできない!
  • 雨状態を維持できるように、ニョロトノキングドラの控えに残しておきたい!

といった問題に直面します。
そこで、脱出ボタン+ニョロトノが以上の問題に対する1つの回答となる訳です。

#02. ニョログドラの取り巻きについて

主軸となる2体が決まりましたが、当然これだけでは対処の難しい相手が多数存在するため
残り4体でその部分をカバーしていくことになります。


まず3体目に投入されたのがランドロス。霊獣フォルムにし、スカーフを持たせる型としました。
採用理由はいくつかありますが、第一に気合の襷を持った相手に対する駒を意識しての採用となります。


脱出ボタン持ちのニョロトノは「攻撃を受けてキングドラに繋ぐ」性質のため、
HP満タンで気合の襷または頑丈が残っているであろう相手にキングドラを場に出す羽目になってしまいます。
#01でも触れたように、キングドラのHPを極力温存しながら戦いたいため
可能な限り相手に一度でも攻撃の余地を与えずに立ち回りたいところ。


そこで、相手にダメージを与えながら控えのポケモンに交替する技のボルトチェンジ・とんぼがえりに注目。
拘りスカーフによって相手に先制でダメージを与えることが可能となり、気合の襷や頑丈を打ち消すことに繋がります。
そしてニョロトノに交替してダメージを受け、脱出ボタンを発動させながらキングドラへの速やかなリレーを行います。
これにより、相手に行動の余地を与えずにキングドラで相手を縛っている状況作りが可能となります。


以上の一連の流れはスカーフ霊獣ボルトロスとの組み合わせで広く認知されていることと思います。
自分も始めはスカーフ霊獣ボルトロスで運用しましたが、自分の立ち回りに合わせてテコ入れを行ったところ
最終的にスカーフ霊獣ランドロスで採用する形に至りました。詳細は個別解説にて解説します。


以上を踏まえ、
スカーフ霊獣ランドロス+脱出ボタンニョロトノ+眼鏡キングドラの形を基本選出の形とします。
基本選出の3体が決まったところで、残り枠の3体で本格的に穴埋めを行っていきます。


4体目にソーナンスを投入。以上の3体では対処の難しいローブシンを意識しての採用となります。
ローブシン関連で開拓されてきた組み合わせは多々存在し、その中でも

という形はローブシンを主軸に置いた組み合わせの中でも特に強力だと個人的に認識しています。


その強さとして、これらの組み合わせ・ギミックは選出段階で容易に判別できない点が挙げられます。
例えばローブシンラティオスローブシンクレセリア等はどのパーティにでも同居しやすく、
それぞれの型や組み合わせで起こりうる複数の状況を考慮しながら選出を考える必要があります。


しかし、ソーナンスならローブシンやサポート要員との1:1交換を狙えるだけでなく
影踏みによって相手の交換を妨害できるため、ターン数に制約のあるギミックへの対抗策としても有効。
仮にラティやクレセがサポート型でなくとも最悪1:1交換を狙い、後続のポケモンへの補佐を行えます。


その他、ソーナンスで相手の手持ちを減らすことでキングドラの負担を軽減させたり、
補助技をアンコールで固定しながらキングドラを安全に場に出せるようにする形によるサポートも可能。


続いて5体目に投入されたのがキノガッサ
この時点でナットレイへの対抗策がないため、最も分かりやすく対抗できるポケモンとして採用しました。
一部で話題になった型については後ほど個別解説にて解説します。


最後に、6体目に決まったのは霊獣ボルトロス
まだ不安の残る対ラッキーや対ブルンゲルを担えるポケモンとして採用しました。
ラッキーを意識しているため悪巧みを搭載したアタッカーとしての運用となります。


パーティの大まかな概要や採用理由については以上となります。
脱出ニョロトノキングドラの主軸にスカーフ霊獣ランドロスを加えたものを基本選出の軸として、
ソーナンスキノガッサ・霊獣ボルトロスでパーティの穴埋めを行いました。


余談ですが、アタッカー枠が複数いるため使用頻度の高い技の命中率を極力100%に近くするよう心がけました。
流星群やストーンエッジ、気合玉を採用しているため矛盾しているように見えますが、
それ以外の技(波乗り/竜の波動/とんぼがえり/10万ボルト等)の使用頻度が高いため、
1回の行動回数を無駄にせず確実にダメージを与えながら立ち回ることを強く意識しています。
耐久面もあまり高くないので、1回の技外しが致命傷になりかねないリスクはなるべく負わないように。


各々の技構成や努力値配分等は個別解説にて触れていきます。
以下、個別解説。

個別解説


ニョロトノ(図太い)熱湯/毒々/アンコール/滅びの唄@脱出ボタン
実数値:197(252)-**-126(156)-111(4)-130(76)-93(20)
・204カイリューの[+1]逆鱗を確定1発耐え
・186バンギラスストーンエッジを最高乱数×2以外2発耐え
・182ラティオスの[眼鏡]流星群を確定1発耐え


今回は概要で触れたように、脱出ボタンからキングドラへ繋ぐ目的での採用となりました。


相手の攻撃を1発受ける前提の立ち回りが必然的に多くなるため、耐久面を重視した配分としました。
特殊耐久をラティオスの眼鏡流星群耐えで止めているのは、ランドロスからニョロトノへ繋ぐことが多くなり
電気技が一貫しない組み合わせのため眼鏡雷まで耐える必要がないと判断してのことです。


物理耐久は鉢巻カイリューの逆鱗耐えから入り、陽気バンギラスストーンエッジを2発耐える値にしました。
前者はカイリューニョロトノを後出しした際に

以上のフローを組むことが可能。
これについてはゴツゴツメットで使用していた時とほぼ同様の立ち回りとなります。


後者のストーンエッジ2発耐えはスカーフバンギラスへ後出しすることまで想定した調整。
バンギラスの控えに選出されるであろうスイクンに対してニョロトノで妨害できるようHPを温存するだけでなく、
ストーンエッジが万が一急所に当たってもニョロトノを失わずに天候の取り合いを挑めるメリットを考慮しました。


素早さに振らないことで脱出ボタン発動後の単体性能の低さや何もせずに倒れることが懸念されますが、
ニョロトノは積みポケに対して2回以上積まれることを防いだり
その他、場に残った時に天候を維持したまま妨害行為をして退場できれば十分だと考えており
実際に素早さの必要性を感じた場面はありませんでした。
むしろ耐久を上げたお陰で天候要因として残せる強みを体感した場面の方が多かったですね。


技構成はボタンの消費後に「場に残っても枷にならない」ことを念頭において決めました。
熱湯は単純に天候下で強化されたウェポンとして使用できるだけでなく、
後出しされるスイクンやラティ、バンギラスユキノオー等に3割のリスクを与える効果が強力。
殴り合いでダメージを蓄積させるという観点では波乗りが最適かと思いますが、
それ以上に与えられた行動回数を駆使して3割のリスクを与えていくことのリターンを重視しています。


毒々はブルンゲルに何もできなくなることを防ぐ為だけでなく、ポリゴン2やクレセリアを始めとした
耐久が高くてかつニョロトノの打点に乏しい相手の耐久を確実に削ぐ手段として有効。
上手く噛み合えばソーナンスでキャッチし、交替を許さずに毒殺することも可能になります。


一見キノガッサとの相性が悪いように見えますが、状態異常でダメージを蓄積させられるため
キノガッサマッハパンチで倒せる圏内まで削れる選択肢を得られることで解消できています。


残りの2枠にはアンコールと滅びの唄を採用。
サポート重視のニョロトノ自身が起点になることを防止できる技として、最も利用機会が多いと思います。
他にも凍える風や黒い霧、瓦割り、泥棒、催眠術などの補助技も選択肢に挙げられます。


余談ですが、脱出ボタンは普段ゴツゴツメット持ちで運用していた際に気になっていた不安要素を
解消できる意味でも非常に便利な持ち物であることを実感しました。
今までは、場に出したニョロトノが居座ることでラティオススイクン等の「呼んではいけない相手」を
容易に場に出させてしまうことに繋がり、天候要因を失って雨を維持できなくなるか
控えのポケモンを1体失うかの選択肢を迫られるリスクと常に隣り合わせでした。


しかし脱出ボタンの場合、最初に場に出す時は場に居座る状況が発生しづらいだけでなく
脱出ボタンの発動を誘発する立ち回りを意識するため即座にキングドラへ繋いで攻撃態勢に移れます。
よって、ニョロトノが場に居座る状況が発生するのは2度目以降に場に出すタイミングになりますが、
その時点で既にキングドラで相手の駒数を減らしていたり、控えのスカーフランドが一貫していたりするため
場に居座ることのリスク以上に、状態異常や補助技による妨害行為を行える強みが発揮されます。


何より基本的に捨て駒として割り切った運用ができる性質も相まって、
状況に合わせて使い方を切り替えられる脱出ボタンは非常に強力なアイテムでした。

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キングドラ(控えめ)竜の波動/波乗り/流星群/寝言@拘り眼鏡
実数値:151(4)-**-115-161(252)-115-137(252)
・182マンムー地震+氷の礫を確定2発耐え
・187-131ラティオスを竜の波動で確定1発
・157-161ロトムを竜の波動で高乱数2発


雨パの代表的なアタッカー。今回は原点回帰の意を込めて控えめの拘り眼鏡型を使用。
後述のランドロスとの連携で倒せる相手が増えるメリットを重要視して特攻に補正をかけています。
なお今回はキングドラキングドラで倒す立ち回りは想定していません。
ただ、雨以外でマンムーシャンデラヒードランと殴り合う状況下では素早さの必要性を感じました。


脱出ボタンから繋ぐ先として運用できるため、相手によってはキングドラを先発で出して殴ってから
不利対面でニョロトノに交替して、雨状態で再び降臨して負担をかけていく立ち回りも可能となります。


努力値配分については今まで使用してきたCS重視の配分で、それぞれの意図も何ら変わりありません。
唯一異なるのは今までBDに割いていた部分を特攻に回して最大値に設定している点です。
これは特防161の水ロトムを意識しての変更となっており、
後述のランドロスのとんぼがえり+流星群でHP157-防御140-特防161のロトムを倒せる確率を確保するためです。


今まではユキノオーとタイマンで殴り合うことまで想定してHBDに4ずつ割いた配分でしたが、
ユキノオーと殴り合う場面よりも水ロトムキングドラで処理する場面の方が多く想定できるため
特防161に対する眼鏡流星群の乱数が変動する161に設定し、対水ロトムの勝率を底上げしました。


技構成もいつも使用していた攻撃技に落ち着きました。
基本的には相手の控えを見て、竜の波動や波乗りの命中安定技で一貫性を突いていく立ち回りを取ります。
直前まで寝言の枠は182ラティオスの眼鏡流星群耐えを崩せるハイドロポンプでしたが、
実際の対戦で必要な場面がなかったこと、2割で外れるリスクを選択肢に入れたくなかったこと、
そしてキノガッサフシギバナキュウコン等の催眠技持ちに対して腐らせないことを考慮して変更しました。


キングドラの強みの1つであるハイドロポンプの数値の高さは非常に魅力的でしたが、
自分が特殊キングドラを使う時はなるべく波乗りか竜の波動だけで立ち回れることを目標に構築しており、
構築時点でハイドロポンプを使う状況を避けることが前提となるため逆に必要としなかったのだと思います。
実際に社mfではハイドロポンプが欲しいと感じた場面はありませんでした。
逆に、寝言があることでキノガッサ入りにキングドラを選出できる保険を感じる場面の方が多かったです。


あくまでハイドロポンプを否定してるわけではないので、その点はご理解願います。

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■ 霊獣ランドロス(陽気)とんぼがえり/ストーンエッジ/逆鱗/地震@拘りスカーフ
実数値:165(4)-191(204)-117(52)-**-102(12)-155(236)
・182ガブリアスの[−1]逆鱗を最高乱数×2以外2発耐え
・182ラティオスの流星群を最高乱数以外1発耐え
・175-101-131ラティオスをとんぼがえり+161グドラの[雨][眼鏡]波乗りで確定2発
・157-140-161水ロトムをとんぼがえり+161グドラの[眼鏡]流星群で最低乱数×2以外2発
・185-116ガブリアス地震で確定2発
・素早さ:無補正最速ガブリアス+1


とんぼがえり要員として、そして自身もアタッカー枠として使えるスカーフ霊獣ランドロスを採用しました。
電気技を無効化できることからニョロトノとの組み合わせた時の相性がよく、
ラティオスに対して電気技を選択するリスクを与えながらとんぼがえりでニョロトノへ繋ぐことができます。
またキングドラと合わせて積み技アタッカー(ウルガモス/カイリュー/ギャラドス等)への削り役としての運用も可能。


同様のスペック(交替技、電気耐性)を持つ霊獣ボルトロスと比較した時のメリットは

主に以上となります。
自分が組んできたニョログドラ雨パは全体的に物理耐久が不足気味になったこともあり、
威嚇によって物理耐久を疑似的に確保できる霊獣ランドロスは非常に重宝しました。


冒頭の概要で触れた通りニョロトノキングドラの組み合わせは気合の襷や頑丈を弱点としますが、
この点についてはマルチスケイルも例外ではなく、非常に頭を抱える要因となります。
当初は霊獣ボルトロスを採用していましたが、全体的に不足気味な物理耐久によってカイリューが重かったため
カイリュー対策の一環を担っている駒としてランドロスに変更しました。

以上の要素においても霊獣ボルトロスより勝る点であると感じました。


しかし、ランドロスを採用したことで相手の霊獣ボルトロスが重くなる(初見でスカーフか判別できない)ため
そこは直接ニョロトノに交替してキングドラで縛ったり、ソーナンスで処理する等で別途対処するようにします。
また化身ボルトロスに対して、先制身代わりを考慮すると初手でとんぼがえりを打つことにリスクが伴うのも課題点。
更にランドロスでは水タイプの相手ができないため必然的にキングドラに依存する形となります。
ボルトロスならスイクンブルンゲル、化身ボルトロスに強かったのにランドロスは…といった局面があったのは事実。
(社mfではスイクンミラーコートでパーティをズッタズタにされました。)


努力値配分については特に注釈を加える点はありません。
強いて言えば、とんぼがえり+眼鏡グドラの雨波乗りで耐久調整ラティオスまで倒せるようにしている点がミソ。
これによりキングドララティオスとの対面で安全に波乗りを選択できるようになるため
ラティオスバンギラス/ハッサムのような組み合わせが見えている場面で水技を一貫させることが可能。
ハイドロポンプと違って確実なダメージソースとしても機能し、
たとえキングドラを失った後でもスカーフランドロスでトドメを刺しにいく立ち回りも組めるようになります。

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ソーナンス(穏やか)ミラーコート/カウンター/アンコール/道連れ@オボンの実
実数値:269(28)-**-107(228)-**-121(252)-53
・160キングドラの[雨][眼鏡]ハイドロポンプ+ステロを最高乱数以外1発耐え
・182ラティオスの[眼鏡]流星群+1/16ダメージを確定2連発耐え


ソーナンスは概要で触れた通りローブシンを第一に意識しての起用。
ですが、努力値配分はパーティ全体の対ラティオス耐性を考慮して特殊耐久重視の配分としました。
これによりキングドラの竜技に対して交替で出せるようになり、ミラー対策の一環を担うことも可能になります。
またランドロスでは対抗できないボルトロスへ出すことも多いため特殊耐久が役立つ場面は多かったように感じます。


ちなみにローブシンへ投げた後に毒々やビルドアップで逃げられた場合のことも考慮して、
控えにはキングドラボルトロスといった高火力の特殊アタッカーを選出して負担をかけていきたいところ。


基本的には1:1交換する対象を予め選出段階で決めておき、その対象となるポケモンを処理したり
適度に削った後に後続のアタッカー枠のポケモンで畳み掛けることを意識して選出します。
また補助技を固定することに成功すれば後続のボルトロスキノガッサ、そしてニョロトノへ繋ぐ起点を作れるため
パーティ内の誰と組み合わせて選出しても確実に機能させることができました。


ソーナンスとの組み合わせは残りの2体で特に意識したため、以降の解説にて触れたいと思います。

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キノガッサ(意地っ張り)マッハパンチ/タネマシンガン/身代わり/キノコの胞子@食べ残し
実数値:146(84)-188(164)-101(4)-**-105(196)-98(60)
・161キングドラの[眼鏡]竜の波動+ステロを最高乱数以外1発耐え
・151-115キングドラをタネマシンガン×3+マッパで確定2発
・素早さ:無補正最速ローブシン+1


ナットレイブルンゲルを初め、ポリゴン2、ソーナンス、ラッキーといった
ニョログドラに対して選出される耐久系のポケモンを幅広くカバーできる枠として採用。
また今回は特殊耐久をがっつり伸ばしてナットレイのついでにニョログドラミラーも意識しました。


当初はポイズンヒールか気合の襷での運用を考えていましたが、
ポイズンヒールではキングドラへの処理速度が遅く、また唯一の先制技にも関わらず威力が微妙に足りない。
がしかし、気合の襷では砂ダメや鉄のトゲ、不意のゴツゴツメットによる蓄積に対応できなかったり
身代わりを採用できない都合で寝言持ちにアッサリ対策されてしまうことが懸念点でした。
上記の耐久系は揃って遅く、対策枠として機能できるよう身代わり+胞子のループにハメたいと考えていました。


そこで出てきたのが残飯+身代わり型。
以前にくろばさんからアイディアをもらっており、その型がちょうど欲しい性能を全て網羅していました。
またナットレイ対策として使用する以上、鉄のトゲに対するダメージの蓄積を抑える手段としても重宝しました。


テクニシャン型で使用することでタネマシンガンやマッハパンチの威力が上がるため、
キノコの胞子に依存しなくとも手負いの素早い相手をマッハパンチで処理しながら後続を迎え撃ったり
遅い相手を起点に胞子から身代わりを残して、ポイヒ型でおなじみのパターンにハメることも可能。
速い相手にはローキックがなくループに持ち込めませんが、タネマシンガンとマッハパンチの火力でゴリ押しが利くため
身代わりを盾に殴り続けて強引に突破してしまう場面も多々見受けられました。


最近流行りの拘りアイテム+寝言によるキノガッサ対策も身代わりで防ぐことができ、
相手の技を確認した後にソーナンスで捕まえて処理する立ち回りが非常に強力でした。
場にソーナンスが残ったら相手の補助技をアンコールで固定しながら再びキノガッサに交替し、
安全にキノコの胞子や身代わりによるハメゲーへ再び持ち込むコンボ技も可能となります。


ポイズンヒールではないため他天候のダメージで残飯を相殺されてしまう懸念もありますが、
カバルドンバンギラスユキノオーの弱点を突けるため、ガッサで処理した後に雨状態にして再び態勢を整えられます。


努力値配分は冒頭で触れたようにニョログドラミラーを意識しているためキングドラに照準を当てた特殊耐久を確保。
次にキングドラをタネマシンガン+マッハパンチで倒せる確率を考慮して攻撃を188まで上げて
残りを素早さに振ったところ無補正最速のローブシンまで抜けるようになりました。


非常に低い素早さが目立ちますが、キノコの胞子は基本的に自身より遅い相手にしか撃つ機会がなく、
タネマシンガンも身代わり+キノコの胞子で状況を整えた上で打つ技なので特に必要性は感じませんでした。
唯一、先制技のマッハパンチだけは手負いのローブシンより先に打ちたいため素早さを最低限のラインにしています。
自身より速い相手にはソーナンスキングドラランドロスでダメージを蓄積させてからマッハパンチで削り切ります。


技構成は採用理由を踏まえた上で以上の4つで落ち着きました。この構成が最も単体性能を活かせると思います。
岩技がないことでウルガモスカイリューには無力ですが、この部分は取り巻きを駆使して抗えるので割り切りました。


勝戦ではマンムーカイリューシャンデラを警戒して選出できませんでしたが、
準々決勝・準決勝ともにキノガッサの大健闘によって勝利を収めることができたため当日は大活躍でした。
決して思考停止で採用できる型ではなく、取り巻きのポケモンとの組み合わせも考える必要がありますが
パーティの穴埋め要員として採用できる新たな選択肢になり得るのではないかと思います。


最後になりますが、この型を教えてくれたくろばんさんには本当に感謝です。

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■ 霊獣ボルトロス(臆病)10万ボルト/めざめるパワー氷/気合玉/悪巧み@ゴツゴツメット
実数値:175(164)-**-92(16)-175(76)-100-168(252)
・325-157[輝石]ラッキーを[+2]気合玉+161キングドラの[雨][メガネ]波乗り+ゴツメ×2で確定2発
・325-157[輝石]ラッキーを[+4]気合玉+10万ボルトで最低乱数×2以外2発
・181-165ナットレイを[+2]気合玉で確定1発
・177-130ハッサムを[+2]10万ボルト+ゴツメで0.87以上の乱数で1発
・185-121カイリューを[+2]めざ氷→ゴツメで0.87以上の乱数で1発
・200ハッサムの[鉢巻]でんこうせっかを最高乱数×2以外2発耐え
・地球投げ×2+ステロ(43)+1/16(10)+2/16(20)ダメージ耐え


最後に決まったのが霊獣ボルトロス。キツネの社mfの前日朝に決まり、急遽育成してぶっつけ本番で挑みましたw
一応、スカーフ霊獣ボルトロスの選択肢も相手に強いることができます。具体的な恩恵はありませんがw


この時点で特に苦手だったラッキーやブルンゲルに強い積み技持ちの枠を考えたところ、
最も分かりやすい形で運用できるのが悪巧み持ちの霊獣ボルトロスだったため即採用に踏み切りました。
そのため、技構成と努力値配分はラッキーを強く意識したものとなっています。


しかし、悪巧みボルトロスを使うにあたり持たせる物は既に残っていませんでした。
地球投げに対して行動回数を得られるオボンの実が最適かと思われましたが既にソーナンスが持っており、
同じ回復手段として使える食べ残しもキノガッサが既に持っていたためボツ。
その他、フシギバナや毒ラッキーに強くなるラムの実、氷の礫やめざ氷を意識したヤチェの実、
そして悪巧みを使わずとも素の威力を補強できる命の珠や電気・氷のジュエル等も考えましたが、
最終的にゴツゴツメットで落ち着きました。


ラッキーが悪巧み持ちの霊獣ボルトロスを倒すには嫌でも地球投げを選択しなければならず、
そこにゴツゴツメットの蓄積ダメージを与えることで無理矢理ボルトロスの気合玉圏内へ持ち込むことにしました。
上記の仮想敵一覧にあるように、ゴツメや気合玉のダメージと合わせてラッキーを倒すことを目標としています。
何気にボルトロスで削りながら倒してもらい控えのキングドラでトドメを刺すという動かし方も可能。
もしタマゴ産みで粘られた場合はもう一度悪巧みを積むことができ、10万ボルト+気合玉で倒せるようになります。


また副産物として、カイリューマルスケをゴツメで強引に潰したりすることもできるようになったため
強引ながらキングドラランドロスへのサポートを行う芸当も可能ですね。


努力値配分・技構成は先程も触れたようにラッキーを主に意識しています。
素早さはラッキーとの同居が多く見られるボーマンダキュウコン、サンダーを抜くため最速をキープ。
定数ダメージ込みでHPを伸ばしたため、副産物として鉢巻ハッサムでんこうせっかに対応できる余地を確保。


攻撃技も、ブルンゲル等の水タイプや等倍相手に悪巧み込みで処理範囲を広く持てる10万ボルトと
先述のボーマンダグライオン、そして霊獣ボルトロスをまとめて倒せるめざめるパワー氷、
そして気合玉はラッキーやナットレイ専用技として採用しました。
これによりグライオンナットレイナットレイブルンゲルの組み合わせに強い駒として選出できるようになります。


基本的にはキノガッサと同様にソーナンスと組み合わせて積み技の起点を作りに行ったり
自身より速いラティオス等の相手をソーナンスで処理しに行く立ち回りがメインとなります。
また、他にもキングドラと同時に選出してナットレイを釣りながら悪巧みの起点にする動きも可能。
もしラティオス等の速い相手と対面してしまった場合でも脱出トノからキングドラへ繋ぐことができるため
思わぬ部分でニョログドラとのシナジーを生んでいる部分もあります。


ぶっつけ本番で採用しましたが、オフ当日はキノガッサに劣らない活躍を見せてくれました。

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解説は以上となります。
私生活が忙しく、パーティを組む時間も回す時間もまともに確保できなかったため非常に不安でしたが、
脱出ボタンニョロトノを主軸とした分かりやすい攻め中心の立ち回りによって扱いやすく感じました。


氷技が弱点のポケモンが3体もおり、ユキノオーマンムーパルシェンマニューラといった
気合の襷持ちの氷タイプが非常に重めです。これらは氷の礫の打点が高いのも痛い。
しかし、これらは気合の襷さえ無効化してしまえばキングドラ等で強引に殴り勝てるので
ランドロスの威嚇やソーナンスとニョログドラを組み合わることで対処できるかと思います。


今まで目標としていた優勝の座を勝ち取れたと同時に、脱出ボタンニョロトノ関連の知識も深まったため
とても充実した対戦会の時間を過ごせたことと思います。
今回の結果に驕らず、今後も高水準の結果を対戦会で残せるよう努力していきたい所存です。


対戦ログも後ほど更新したいと思います。
今度はやるやる詐欺にならないよう頑張る。
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